人員欠如に該当する場合の減算

共同生活援助サービス費(個人単位で居宅介護等を利用する場合を含む)の算定にあたって、次の(1)(2)のいずれかに該当する場合に、それぞれに掲げる割合を減算しなくてはなりません。

(1)指定基準に定める人員基準(生活支援員、世話人)を満たしていない場合、1割を超えて欠如した場合にはその翌月から、1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から人員基準

欠如が解消されるに至った月までの間以下のように減算をしなければなりません。

減算適用1月目から2月目 所定単位数の70%を算定
減算適用3月目以降 所定単位数の50%を算定

(2)指定基準に定める人員基準(サービス管理責任者)を満たしていない場合、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの間以下のように減算をしなければなりません。

減算適用1月目から4月目 所定単位数の70%を算定
減算適用5月目以降 所定単位数の50%を算定

(1)、(2)の所定単位数については、各種加算がなされる前の単位数として、各種加算を含めた単位数の合計数について減算するものではありません。

日中サービス支援型共同生活援助において、夜間及び深夜の時間帯に勤務を行う世話人又は生活支援員について、ある月において次のいずれかの事態が発生した場合に、その翌月から人員欠如が解消されるに至った月まで、利用者の全員について減算がされます。

ア.指定障害福祉サービスの基準に定める員数に満たない事態が2日以上連続して発生した場合
イ.指定障害福祉サービスの基準に定める員数に満たない事態が4日以上発生した場合

※上記以外の人員欠如については、その翌々月から人員欠如が解消されるに至った月まで、利用者の全員について減算がされます。(ただし、翌月の末日において人員基準を満たすに至っている場合を除きます。)

・常勤又は専従など、従業員の員数以外の要件を満たしていない場合には、その翌々月から人員欠如が解消されるに至った月まで、利用者の全員について減算がされます。(ただし、翌月の末日において人員基準を満たすに至っている場合を除きます。)

・多機能型事業所等であって、複数の障害福祉サービス又は昼間実施サービスの利用者の数の合計数に基づき、配置すべきサービス管理責任者の員数等を満たしていない場合には、当該複数の障害福祉サービス又は昼間実施サービスの利用者全員について減算がされます。

個別支援計画未作成減算

共同生活援助計画が作成されずにサービス提供が行われていた場合、当該月から当該状況が解消されるまでに至った月の前月までの間に以下のように減算をしなければなりません。

減算適用1月目から2月目 所定単位数の70%を算定
減算適用3月目以降 所定単位数の50%を算定

上記の減算は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計について減算をするものではありません。

これは個別支援計画に基づく適正なサービスの提供を確保するためのものであるので、事業者はサービス基準の個別支援計画に係る規定を尊守しなければなりません。

具体的には以下の要件に該当する月から、解消されるに至った前月まで、以下の要件に該当する利用者の方につき減算をしなければなりません。

サービス管理責任者による指揮の下、個別支援計画が作成されていないこと
指定障害福祉サービス基準又は指定障害者支援施設基準に規定する個別支援計画の作成に係る一連の業務が適切に行われていないこと

身体拘束廃止未実施減算

身体拘束等にかかる記録が未作成の場合の所定単位数の算定について

1日につき5単位を所定単位数から減算

具体的な取扱いについては以下のようになっております。

・この減算は、施設等において身体拘束が行われていた場合ではなく、サービス基準又は施設基準などに定められた規定に基づき求められている記録が行われていない場合に、入居者全員について所定の単位数から減算することとなります。

・記録を行っていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月から3ヶ月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、入居者全員について所定単位数から減算することとなります。

・この規定は適正なサービスの提供を確保するためであり、事業者等は身体拘束等の廃止を図るよう努めなければなりません。

大規模住宅等減算

共同生活住居の規模が一定以上の場合に入居定員数によって、以下のように減算が生じてしまいます。

■入居定員が8名以上21人未満(日中サービス支援型指定共同支援事業所の場合は除く)
所定単位数の95%を算定
■入居定員が21人以上
所定単位数の93%を算定
■一体的な運営が行われている共同生活住居の入居定員の合計数が21人以上
所定単位数の95%を算定

ここで注意が必要なのは、所定単位数については、各種加算がされる前の単位数として、各種加算を含めた単位数の合計数を減算するものではありません。

例えば、同一敷地内に21人の共同生活住居と7人の共同生活住居が一体的に運営されている場合のそれぞれの減算率はどうなるのでしょうか?

その答えは、大規模住居(1つの共同生活住居の入居定員が8人以上)が含まれる場合は、大規模住居に対する減算が優先して適用することとなります。このケースの場合、減算率は以下のようになります。

・21人の共同生活住居→93%

・7人の共同生活住居→95%

なお、一体的な運営が行われている共同生活住居とは、同一敷地内又は近接的な位置関係にある共同生活住居であって、かつ、世話人又は生活支援員の勤務体制がそれぞれの共同生活住居の間で明確に区分されていない共同生活住居のことをいいます。

 

複数の減算事由に該当する場合の取扱い

複数の減算事由に該当する場合の報酬の算定については、原則としてそれぞれの減算割合を乗ずることとなりますが、
定員超過利用と人員欠如の双方の事由に該当する場合には、減算となる単位数が大きい方についてのみ減算を行います。

減算となる単位数が同じ場合は、いずれか一方の事由のみに着眼して減算を行います。
なお、複数の減算事由に該当する場合には、都道府県知事により重点的な指導が行われるとともに、指導に従わない場合には、最悪指定が取消されてしまうこともありますので、適正な運営を行うことが重要となります。

具体的には以下のように減算を行います。

例1、定員超過利用減算について所定単位数の100分の70に、人員欠如減算について所定の単位数の100分の50に該当する場合 所定単位数の100分の50の報酬を算定
例2、定員超過利用減算について所定単位数の100分の70に、人員欠如減算について所定の単位数の100分の70に該当する場合 所定単位数の100分の70の報酬を算定

以上が減算についての解説となりますが、ただ単に減算をすればいいという訳ではなく、基準に沿った適正な運用を心掛ける必要があります。

都道府県知事は、以上のようなことが継続する場合には指導を行います。その指示に従わない場合は最悪指定の取消しとなってしまう可能性がありますので注意が必要です。